SASEで切り開く
ITエコシステム

Annette Lee

Annette Lee

ベライゾン、アジア太平洋地域、
グローバルエンタープライズビジネス責任者

Gartner社によると、全世界のパブリッククラウドサービスへの支出は2023年に20%以上増加すると予測されており、ビジネスアプリケーションのクラウド化が広がっていることは否定できません1。クラウドテクノロジーはさまざまな用途に広がっており、それらのテクノロジーはどれもコンピューティングリソースやITサービスへのアクセスを迅速かつスケーラブルに提供することを目的としています。

しかし、クラウドテクノロジーが進化するにつれて、ネットワークの運用モデルを検討し、クラウドベースのセキュリティポリシーへの移行がセキュリティの課題に対処できる場合、多くの組織がレガシーベースのソリューションでは最適なセキュリティ機能が提供されない可能性があることに気づいています。

まず、SASEとは何か︖ SASE(Secure Access Service Edge)は、クラウドアクセスセキュリティブローカー(CASB)、ゼロトラストネットワークアクセス(ZTNA)、サービスとしてのファイアウォール(FWaaS)のようなセキュリティ機能とソフトウェア定義ワイドエリアネットワーク(SD WAN)機能を統合したクラウドネイティブのアーキテクチャです。SASEアーキテクチャでは、ネットワークエッジでネットワーク機能とセキュリティ機能が1つのクラウド提供サービスに統合されているのです。

調査によれば、2018年末時点でSASEの導入を考えていた企業は1%未満ほどでしたが、2024年までに少なくとも40%の企業がSASEを採用する明確な戦略を持つようになるとのことです2。Dell'Oro Groupによると、「SASE市場は年平均116%の成長率で拡大し、2024年までに市場価値は51億ドルに達する」と言われています。

S&P Global Market Intelligence傘下のTMT Consultingによる調査はベライゾンビジネスの委託で行われ、欧州とアジア太平洋地域の組織および企業でSASE/ZTNAの評価と導入に関わっている経営幹部から、それぞれのビジネスドライバー、主要な意思決定基準、導入タイプ、障壁、主要な教訓を理解することを目的としていました。

調査の結果、ZTNA/SASEによってメリットを受ける主なグループは、ビジネス、ユーザ、セキュリティオペレーション(SecOps)の3つであることが明らかになりました。ビジネス上の主なメリットとして、サイバーセキュリティ能力の強化、エッジツーエッジ、ボーダーレスな保護、コスト削減、バーチャルワーカーに対するサポートの改善などがありました。3

SASEの採用が最も賢い選択である理由

アプリケーションのクラウド化の流れは、SASEの導入を大幅に加速させています。新型コロナウイルス感染症流行後、企業の労働環境は急速に分散化し、ITインフラに多数の拠点からアクセスできるようにする必要がありました。

SASE戦略を採用することで、ネットワークコストの削減、クラウドエンタープライズセキュリティとオンプレミスセキュリティのサポート、ネットワークとセキュリティ機能の融合など、いくつかの大きなメリットが生まれます。

SASE戦略を採用して既存のレガシーネットワーキングソリューションを置き換える場合に、企業が考慮すべき主な点は以下の通りです。

  • SASEは、セキュアなWebゲートウェイとゼロトラストネットワークアクセスが実現する重要なネットワークセキュリティサービスを備えた、よりスマートで自動化されたSD WANを組み込んでいます。
  • SASEのメリットとして、ビジネスネットワーク上のすべてのユーザとデバイスの管理とポリシー適用の簡素化があります。また、SASEをベライゾンのネットワークオペレーションセンターやセキュリティオペレーションセンターなどのチームと連携させることで、サードパーティシステムの管理も容易になります。
  • エッジツーエッジコンピューティングは、クラウドやオンプレミスで転送および処理されるデータ量を削減し、機密データをユーザデバイスに保持することで生じるデータ漏洩のリスクを低減することで、データセキュリティを向上させます。
  • 組織におけるSASEの包括的なメリットは、スケーラビリティとネットワークセキュリティの向上です。すなわち、ネットワークの拡張が容易で、企業での運用や企業データを適切に保護できる能力です。

SASE︓5つの重要な側面

SASEの未来は明るく、このフレームワークの位置づけは確固たるものです。既存のレガシーネットワーキングソリューションを置き換えることで、企業の成長に貢献できるSASEの5つの主要な特長は以下の通りです。

  1. システムの複雑化と統合化の課題を軽減、俊敏性の向上、迅速で安全なクラウド導入とともに、データ、アプリケーション、サービスを簡単かつ安全にパートナーと共有できる革新的なデジタルビジネスの関係を実現。
  2. 一元化された動的なロールベースのポリシーにより、ネットワークとセキュリティ主導のワークフロー全体の運用を合理化。
  3. 境界に重点を置くセキュリティのみに依存するのではなく、ID認証とアプリケーションに基づくセキュリティ上の判断ができるよう、インフラへのアクセス権の細かい調整が可能。
  4. ITインフラの簡素化により、セキュリティ製品の混在とそれに関連する管理業務のオーバーヘッドを削減。
  5. ポイントソリューションのハードウェア製品から一元化されたクラウドベースの仮想化プラットフォーム上のアプリケーションに移行することで、設備投資コストとITリソースの需要を削減するとともに、拡張性と俊敏性を強化。

ベライゾンとの協働でSASEを最適化

柔軟性とカスタマイズ性は、SASEサービスの構築と提供における重要な要素です。ベライゾンは、お客様と共にSASEのワークショップを実施し、SASEが現在そして将来にわたり、お客様に適しているかどうかを理解するために、お客様のサイバーセキュリティとクラウドアプリケーションの現状と望ましいあり方を把握します

SASEサービスをお客様の組織運営にどのように適合させることができるか、詳しくはベライゾンにご相談ください。

1  https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2023-04-19-gartner-forecasts-worldwide-public-cloud-end-user-spending-to-reach-nearly-600-billion-in-2023  

2  https://www.sdxcentral.com/articles/news/delloro-sase-market-to-hit-5b-by-2024/2020/10/ 

3 https://www.verizon.com/business/resources/articles/ update-continuing-sase-ztna-research-yields-more-insights. pdf?linkId=220603021

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